これはどういうことでしょうか?

2009年3月に法務省は、「一連の新しい入国管理局ガイドラインが2010年4月より施行される」と発表しました。このガイド ラインの項目の中に、ビザ申請者に対し、日本の公的健康保険に加入することがビザの変更、更新するための前提条件とされていました。

 しかし、日本在住の外国人には、外国人であるが故の事情や特性に対応した保険が求められており、そのような必要性を満たしてくれる健康保険でなければ加入する意味がありません。それは公的健康保険でカバーできるものもあれば、カバーできないものもある為、健康保険については外国人自身の判断で公的もしくは民間保険の選択をできる権利が守られるはずです。そう考えたフリー チョイス ファンデーションは同じ考えをもつ多くの人々と力を合わせて、この問題のガイドラインの施行の見直しを求め、 ガイドライン第8条を削除するよう法務省に説得し、理解を求めました。その結果、この条項は現在正式に削除され、法務省のウェブサイト上でも変更されて内容が公開されています。

 しかし、法律的にはすべての人が社会保険制度に加入することが義務づけられているのではありませんか?はい、その通りです。しかし、ある事項が法の力によって裏打ちされているからといって、それが必ずしも良い法律になるとはかぎりません。また、そうした法律に修正や改訂が行われてもいいはずです。そして、たとえある法律が国民にとって適していても、外国人にもうまく適用できるとは限りません。

私たちは政府の言うことに、何の疑問ももたずに受け入れるべきなのでしょうか。 もっと良い解決策があるのではないか、と考えませんか。時に、政府は単なる巨大な官僚機構に過ぎないのではないかと思えることもあります。まるで、日本の市民や在留外国人がかかえている問題にまったく理解することができないかのように。しかし、常に一方的だということではありません。時には、コミュニティ全体が官僚組織と話し合い交渉意見し、彼らが直面している問題に気づき解決、改善に努めています。


さらに:

日本に数年在住し、公的健康保険の加入の事も知らず過ごしてきた外国人が今回の件で公的保険の手続きを行い、いきなり遡って保険料を納めるよう言われ大変なことになりました。国保の場合、それは最大2~5年分にもなりますし、社保の場合でも 2年分を支払わないといけません。ほとんどの場合、請求される金額は数十万から100万円を超える場合もあります。

まじめな外国人の中には、帰国せざるを得ないと考えた人も多くいます。政府が新しい入国管理ガイドラインを起草したときに、この点にあまり注意を払わなかったのは明らかです。しかし、フリー チョイスやその支持者、そしてこの難題に突然直面することとなった外国人達が、大きな反対運動を起こしその努力の結果、政府は、「外国人がビザ申請を許可してもらうためには、公的保険へ加入していることを証明できなければならない」、とする政策が誤りであることを悟ったのです。


在留資格の変更者、在留期間の更新者は入管で保険証を提示しなければなりません。・・・・・・しかし、

入国管理局は、更新変更窓口でビザ申請者に対して今後も健康保険証の提示を求めるでしょうが、ガイドライン第8条が削除されたので、たとえ提示できなくても、そのことによって更新変更が不利益な扱いを受けることはありません。入国管理局が、厚生労働省に代ってパンフレットを配布して加入を促す 可能性はありますが、加入していない外国人がそのためにビザの更新変更を却下されることはありません。実際に誤解のないようにガイドラインに注釈が付け加えられました。


注「保険証を提示できないことで在留資格の変更または在留期間の変更を不許可とすることはありません」と明記されています。

ガイドライン第8条の削除にそそいだ私たちの努力は。

私達はこの問題を、地方や国政のレベルの両方において300人以上の議員に提示してまいりました。この問題に関して、一つの突破口として、神戸市議会でフリーチョイスの代表者が意見陳述から得られました。彼の尽力により、同市議会の大多数が、意見書(「神戸市は、ガイドラインが意図していることに対して、重大な懸念を感じている」、という趣旨のもの)を政府に提出することに賛成したのです。またフリーチョイスはインターネットを通じオンライン請願を集め運動してきました。その請願書は1月に政府に提出されました。さらに、構造改革特区提案の中で法務省や厚労省とのやり取りがあり、さらに同様の問題意識を抱く国会議員の方々のご理解とご協力を通じて、今回の見直しがまとめられ内閣府を通じて正式な回答を得ることができたのです。
 

ガイドラインの変更点についてお知りになりたい場合は、
     削除前のガイドライン     削除後のガイドライン

フリーチョイスの方針

「日本在住外国人が、医師の診察や医療保険の適用を受ける際には国の公的医療/保険制度または民間医療/保険制度のどちらかを自ら選択できる権利が認められるべきである。」

日本政府は日本に住む外国人に病気や怪我にも対応できる保険に加入してほしいということは納得できます。しかし、国の健康保険のみ強制加入させられるのは納得できません。フリーチョイスは国の健康保険に加入するか、また民間の健康保険に加入するかは外国人それぞれ個人が選べるべきと考えています。


Free Choice believes that foreigners in Japan have special health care concerns.
 

日本に暮らす外国人には、時に特殊な必要性が生じることがあります。例えば、特殊な病気にかかったり、臓器移植を受けるために別の国で医療を受ける必要が生じることがあるのです。また、外国人にとって日本人医師とのコミュニケートに問題が生じる場合もあり、結果として誤診に至ることもあるでしょう。実際、そのようなことで日本にいる外国人医師と相談する必要性が生じていることも現実です。

場合によっては自国に緊急避難しなくてはならないこともあります。緊急医療が必要な場合、できれば家族の救済者費用も保険から捻出されることが望ましいでしょう。また、死亡時には、遺体の本国送還に対してもそうした配慮があってしかるべきだと考えます。これらは日本に長く暮らしている外国人も、深く関心をもっていますが、日本の公的医療制度ではその保証は全く認められていないのです。このようなことから外国人が民間の健康保険を買うことは最もなことです。

そこで、私たちの組織の名称を「フリーチョイス(選択の自由)」としました。それは、選択の自由こそが民主主義の柱であると考えるからです。しかしこの運動はそれだけを目標とするものではないのです。フリーチョイスは、民主主義だけに関わる問題ではなく、社会主義にかかわる問題でもありません。・・・それは、真の意味で人道主義にかかわる問題なのです


民間医療/保険制度ってなに?